下り坂のエンジンブレーキとギアのニュートラル

瀬長修

2010年09月26日 09:26

ハイサイ、チューウガナビラ。

今日はエコドライブの「エンジンブレーキ」の話です。

エコドライブの講習会などでは、「下り坂では、エンジンブレーキで下って、燃料カット(フューエルカット)が燃費に良い」と説明しています。

講習会などでは、細かい説明に時間を取れないと思いますので、上記の説明で充分だと思っています。

(なので、ここから先の話は細かい説明です。笑)

この「下り坂ではエンジンブレーキ」って、坂の傾斜には触れていません。

その坂がゆるい下り坂でもエンジンブレーキをするのかどうか?

エンジンブレーキも「弱いブレーキ」ですので、坂の傾斜がゆるければスピードダウンもありえます。

スピードが落ちたら、再度、アクセルを踏んで加速する、という運転方法になってしまいます。

アクセルは最も弱く踏んでいたとしても、全く踏んでいないアイドリング状態のときより多めに燃料を出します。

なので、速度を維持するには適度にアクセルを踏む必要があります。下り坂なので速度が上がり過ぎないように、できるだけ慎重に踏みます。

ポンピングブレーキならぬ、ポンピングアクセルとなるのでしょうか?

結構、神経を使いそうです。

オートマチック車は、走行中のニュートラルは機械的によろしくないようです。(故障したAT車を牽引するときも、40キロ以上は出さないようにといった注意書きがあります。)

AT車ではあまりお勧めできませんが、マニュアル車では走行中にニュートラルを入れても機械的な問題はありません。

ゆるい坂を下るのであれば、エンジンブレーキで速度を落とすよりも、ニュートラルで速度を維持するほうが、操作も楽で燃費もいいです。

傾斜によって加速するようであれば、トップギアに入れてエンジンブレーキを掛け、適度な速度になれば再びニュートラルにするといいでしょう。

ニュートラルとエンジンブレーキを交互に繰り返しますが、アクセルは踏みませんので、アイドリングレベルの燃料消費とフューエルカットを交互に繰り返すことになります。

あと、マニュアル車なら実際にギアをニュートラルポジションまで移動しなくとも、クラッチを切ったり繋げたりという方法でも同じですので、より手間が省けます。

「ニュートラルにするとエンジンブレーキが効かないので、急ブレーキをかけるときに制動距離が伸びる」という意見もあると思います。

最近の車のブレーキは昔に比べればかなり良くなっていると思いますので、旧車でもなければそれほど気にしなくても良いのではないでしょうか。

また、そういう緊急事態を避けるためには、充分な「車間距離」が大切です。
車間距離を充分あければ、急ブレーキどころか、強めのブレーキも少なくなります。
アクセルの調整だけで速度をコントロールできる訳です。走行中のブレーキはエンジンブレーキが主体になり、燃費が向上します。


話はそれましたが、もう一つの「下り坂でのニュートラル」の場面です。

エコドライブの講習会などでは「下り坂ではエンジンブレーキ」の他に「上り坂の手前では速度を上げた方が燃費に良い」と教えています。もちろんその通りです。

ただ、坂道は上りがあれば下りがあり、下りがあれば上りがあります。

講師の方にちょっと意地悪な質問をしてみました。

「下りの直後に上りがある場合、下り終えるまでエンジンブレーキをかけるのか?」

講師はしどろもどろでした…。

そのような坂道では、途中でエンジンブレーキを解除するなり、場合によってはアクセルを踏んで加速するなり、様々でしょう。

杓子定規に、坂を下り終えるまでずっとエンジンブレーキを掛けるのは、違和感があります。

「どのポイントでエンジンブレーキを解除するか」は、その道を何度も通って、何回も試行錯誤する事で見えてくるのだと思います。

こればっかりは、机の上で考えてもそう簡単に答えは出ないでしょう。実験と練習を積み重ねるのがベターです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

マタン、メンソーレ。

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